コシヒカリを追い越せ、追い抜けのブランド米ブームの火付け役となったのがつや姫です。
つや姫は山形県で生まれ、おかずなしでも美味しい上品な甘さに、歯応えともっちりとした食感が備わっており、日本料理に最も合うと評価されている品種です。
今回は、つや姫の特徴をわかりやすく、そして、つや姫を美味しく食べる方法について紹介したいと思います。
つや姫はどんなお米?
つや姫は、山形県産の高品質ブランド米です。その名の通り、美しい艶が特徴で、炊きあがりの米粒は一粒一粒がしっかりと立ち、透明感があります。甘みと旨みがバランス良く調和した豊かな風味と、しっかりとしたコシが楽しめます。
つや姫は、農薬の使用を最小限に抑え、環境にも優しい農法で生産されており、健康志向の方にも安心して召し上がっていただけます。また、認定農家が作付けの条件を守って丹精込めて作ったお米です。
冷めても美味しさが持続するため、お弁当やおにぎりにも最適なお米として知られています。
①つや姫の歴史は?
つや姫は、平成10年から山形県立農業試験場庄内支場(現 山形県農業総合研究センター農業生産技術試験場)で開発が開始されました。開発の目的は、山形県の主力品種であった「はえぬき」に代わる美味しいブランド米を作り出すことでした。
つや姫は、山形県産の人気交配品種「亀の尾」を祖先に持ち、人気の品種であるコシヒカリ、キヌヒカリ、ひとめぼれなどが交配することで生まれました。
つや姫の名前は、粒の美しい艶と、姫のように大切に育てられたことに由来します。開発から10年をかけて、コシヒカリにも匹敵する食味を持つお米として完成しました。平成22年には本格的にデビューし、山形県内外で高く評価されています。
ちなみにつや姫は、県民投票では一位ではありませんでした。2位の出羽穂の香だった場合は、酒米みたいな名前だったので、つや姫でよかったと思われます。
1位:「山形97号」
2位:「出羽穂の香」
3位:「つや姫」
②つや姫の生産地は?
産地 | R5年産ランキング |
---|---|
山形県 | 特A |
宮城県 | A |
島根県 | 特A |
大分県 | 特A |
長崎県 | データなし |
つや姫は、主に山形県で生産されている高品質なブランド米ですが、現在では山形県以外にも全国4県で作付けされています。これは、高温が原因で品質が落ちる稲熱病に強い耐性があることがわかったからで、近県の宮城県の他には、島根県、大分県、長崎県といった高温になりやすい西日本でも作付けされています。
食味試験でも優秀なデータが出ており、2023年の高温の天候でも、山形県の他には、島根県や大分県も特Aの評価を得られました。
③つや姫生産の仕組み
山形県のつや姫は、つや姫を作付けできる農家と圃場が限定されています。また、つや姫として世の中に出荷ができるのは以下の条件を満たした場合です。
- 等級
1等または2等米であること。 - タンパク質含有率:
• 玄米タンパク質含有率が6.4%以下であること。
• 食味計による測定で7.5%以下(乾物換算)であること。 - 栽培方法:
• 栽培マニュアルを遵守すること。
• 有機栽培または特別栽培のいずれかを行っていること(第三者からの認証が必要)。 - 調製:
• 調製網目は1.90mm(LL網)を基本とすること。
つまり、山形県産のつや姫は、1等または2等であり、タンパク質含有量が低く、栽培マニュアルを守って特別栽培または有機栽培をしているものです。なお、認証が必要ですので、未検査米はつや姫と表示ができません。
つや姫のロゴ入りの袋でなければつや姫として販売できないわけではありません。あの袋は、許可を得た袋屋が市販しているものであり、通常の袋よりも若干高いです。そのため、安価な袋を選択している販売者もいます。
山形県産つや姫の特徴とは?
山形県産つや姫の特徴は、豊かな自然環境と四季の変化に恵まれた山形県で育成された高品質ブランド米であることです。夏の暑さと冬の寒さ、そして山々から流れ込む上質な水を活かして開発されたつや姫は、この地域の環境に最適化されています。
炊き上がりの白さと艶やかさが際立ち、程よい粘りとさらっとした食感、上品な甘みと濃厚な旨味のバランスが特徴です。厳しい栽培基準と品質管理により、冷めても美味しさを保つ安定した味わいを提供し、お弁当やおにぎりに最適です。
①山形県産つや姫の食味の特徴
つや姫の食味の特徴は、食感は、もっちりとした柔らかさと粘り気と歯応えを生む硬さが共存しているので、中程度の食感に、強い甘みがあります。
コシヒカリと比べると、つや姫は硬さがあり、甘さもコシヒカリを上回ります。そのため、コシヒカリを食べ慣れた人からすると、つや姫の上質な甘さにびっくりする人が多いと思われます。
②山形県産つや姫が美味しい料理とは?
つや姫は、その粒の大きさと美しい光沢、甘みと旨味が特徴のため、シンプルな調理法でその美味しさを最大限に楽しむことができます。
つや姫は、おにぎり協会が選ぶ2017年のおにぎりに合う品種3選に選ばれており、その実力が認められています。また、その甘みから、焼き魚をはじめとする和食に合うことが特徴と言えます。
③プレミアムつや姫などの独自ブランドが存在する
プレミアムつや姫は、通常のつや姫よりも厳しい基準で選別された高品質米です。タンパク質含有量の上限設定や、特別栽培以上の栽培方法が求められます。
食味や粒の大きさにこだわり、炊き上がりの艶やかさと甘い香りが特徴です。地域によって独自の基準を設け、さらなる付加価値を付けた商品として販売されています。
例えば、山形県山形市、山形県米沢市、島根県雲南市(たたら焔米)などでは、独自の基準を設けたプレミアムつや姫を販売しています。
山形県産つや姫の口コミ
実際に販売していた時にいただいた山形県産つや姫の口コミを紹介します。
「つや姫を初めて購入しましたが、その甘みと旨みの深さに感動しました。炊き上がりの香りも素晴らしく、ご飯だけで満足できる美味しさです。家族みんなが大好きなお米になりました。」
「おにぎりに最適なお米を探していたところ、つや姫に出会いました。冷めてももちもちで甘みがあり、特にお弁当用にぴったりです。毎朝の楽しみが増えました。」
「炊き上がりの艶ともちもち感が最高です。つや姫の粒立ちが良く、一粒一粒がしっかりとしていて、噛むたびに甘みが広がります。これからもリピート決定です。」
「何度か購入していますが、毎回変わらない品質に感心しています。炊き上がりの美しい白さと艶、そして口に広がる甘さと旨みが本当に美味しいです。これほど安定した美味しさのお米は他にありません。」
つや姫とその他のブランド米の食味の特徴の違いは?
基本的にどのお米も「美味しい」といった抽象表現を使うため、どのお米でも良いと思ってしまいがちです。しかし、美味しいにもジャンルがあり、歯応え、もっちりさ、甘さ、爽やかさなどで種類分けがされています。そのため、「美味しいお米と聞いていたのに、あんまり。。。」みたいな感想が生まれます。
ここでは、各種お米の品種の味の特徴から、違いがわかるように説明をします。
つや姫と雪若丸の違い
つや姫は山形県産で、粒の大きさと光沢が特徴です。弾力がありながら柔らかく、どんな料理にも合います。雪若丸も山形県産で、つや姫の弟分として開発されました。粒が大きく白く美しい光沢があり、しっかりとした食感でさっぱりとした味わいが特徴です。
つや姫とゆめぴりかの違い
つや姫は美しい光沢と冷めても美味しい特性があります。弾力がありながらも柔らかい食感が魅力です。ゆめぴりかは北海道産で、粘りと甘みが特徴です。粒が大きく、もちもちとした食感で、冷めても美味しさが持続します。
つや姫と青天の霹靂の違い
つや姫は山形県産で、粒の大きさと美しい光沢が特徴です。弾力がありながらも柔らかく、冷めても美味しいです。青天の霹靂は青森県産で、粒が大きく、程よい粘りとふっくらとした食感があります。甘みと旨味のバランスが良く、さっぱりとした後味が魅力です。
つや姫とコシヒカリの違い
つや姫は美しい光沢と冷めても美味しい特性があります。弾力がありながらも柔らかい食感が魅力です。コシヒカリは新潟県などで広く栽培されており、強い粘り気ともちもちとした食感が特徴です。甘みに関しては、つや姫の方が強めです。
山形県産つや姫のおすすめはどの商品?
農家や生産者でつや姫を選ぶ
山形県産つや姫を最高の品質で食べたいのであれば、生産方法にこだわりのある農家または農業生産法人が単体の商品を選びます。
ただし、昨今の米の値上がりで、5kg6,000円程度になっているものもあります。
①おきたま興農舎産つや姫 山形県高畠町産 特別栽培米
おきたま興農舎のつや姫は、山形県置賜地域の豊かな自然環境で育まれています。この地域は四季がはっきりしており、昼夜の寒暖差が大きいことが特徴です。
これにより、米に甘みと旨味が増します。また、清らかな水と肥沃な土壌がつや姫の成長を支えています。
おきたま興農舎では、農薬や化学肥料を抑えた環境に優しい栽培方法を採用し、品質の高いつや姫を生産しています。これにより、食べる人に安心と美味しさを提供しています。
②冨田世平さん つや姫 5kg 山形県産 庄内産 7分づき
庄内地方は、日本有数の米所として有名であり、その立地で作付けされたつや姫です。上記のつや姫も生産者が表示されているため、高い食味のお米が期待できます。
コスパでつや姫を選ぶ
コスパでできるだけつや姫を安く手に入れたい時は、農家に直接交渉をする、運賃がかからないように小売店に車で買いに行くなどがありますが、現実的な方法として以下の方法を紹介します。
①玄米30kgで購入する
通信販売でつや姫が最も安いのは、玄米30kgの価格です。これは、30kgの玄米の状態で販売前に保存されていることが多いためで、最も手間と販売ロスがかからないためで、販売者側も一番安くなるように設定しています。
精米すると、27kgになりますが、それを加味しても、4,000円〜5,000円程度は安くなっており、自宅用精米機を購入する組み合わせが最も安くなります。
家の近くにコイン精米機があれば、そちらを使うのがベストです。しかし、コイン精米機は、故障防止のために使用は最低30kgからです。
②パールライスで購入する
これは、100%安いとは言い切れませんが、つや姫を最も安い仕入れ価格で集荷しているのは農協です。農家は、農協の集荷価格以下の卸売業者には販売しないからです。
その農協の子会社の卸売・小売業の形態をとるのがパールライスです。そのため、パールライスのお米は、安定した仕入れ量と中間コストの最小化が行われており、スーパーや通販などでは安い価格で出すことができます。
まとめ
つや姫の特徴は、硬さともっちりさが共存しており、甘さも日本のブランド米の中では最高ランクの高さを誇っています。そのため、白米本来の美味しさを味わうことができる品種で、和食に合う品種とも言えます。
最近のお米の価格高で、業務用のお米の一般価格が上がる一方で、つや姫などのブランド米の値上げ幅は小さいので、ほとんど変わらない価格でお米を購入することができます。この期に、ぜひつや姫をお試しください。