どうせ食べるなら、美味しいお米を食べたい!つや姫を食べるぞ!と思って、いざ購入をしてみたら、がっかりした経験がありませんでしたか?
一般的には美味しいお米の代表格とされるブランド米でも、一定数の割合で「美味しくなかった」という評判を見かけます。では、なぜ、そのような口コミが発生してしまうのでしょうか?
最初に考えたい美味しいお米の定義とは?
まず、最初に断っておく必要があるのは、美味しいという表現についてです。
美味しさの基準は人それぞれ異なっています。例えば、辛いものは好きな人もいれば、辛いものが苦手な人もいます。
テレビをつけたら、有吉ゼミで鈴木亜美が絶句するくらい辛そうなフォーを完食していましたが、共演していた奥菜恵が「無理!」と言っていたくらいのものですので、通常の味覚の持ち主からすると、そのフォーは、きっと美味しいものではありません。
そのため、美味しいという表現は、人によって指標が異なることになります。
つまり、まずいも同じで、人によって指標が変わってきます。
一般的に美味しいお米は、タンパク質や含有アミロースのバランスが良いものを指します。粘りのある食感やお米の甘みに関係しているからです。最近のブランド米は、お米単品でも食べることができる食味の濃さが評価されがちですので、お米の味の主張が強いものが美味しいお米ということになります。
ちなみに、毎年発表されるお米の日本穀物検定ランキングでは下記のように評価が決められています。
当協会において選抜訓練した専門の評価員である、食味評価エキス
https://www.kokken.or.jp/data/ranking_hajime03.pdf
パートパネル20名により、白飯の「外観・香り・味・粘り・硬さ・
総合評価」の6項目について、複数産地コシヒカリのブレンド米を基
準米とし、これと試験対象産地品種のものを比較評価する相対法によ
り行いました。
食味試験の総合評価結果に基づき、基準米よりも特に良好なもの
https://www.kokken.or.jp/data/ranking_hajime03.pdf
を「特A」、良好なものを「A」、おおむね同等のものを「A’」、
やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」にランク付けしました。
つまり、複数産地コシヒカリに比べて、プロの水準で外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」の6項目で特に優れていると評価されたものが特Aであり、良いと思われたものはAの水準だということです。つや姫は特Aの品種です。
つや姫が美味しくなかったことから考えられる原因とは?
もし、つや姫のブランド米が美味しくないと感じたのであれば、以下の何かに問題があったと思われます。
①農家直送米ではない。
農協のお米を批判したいわけではありませんが、集荷方法や保存方法に問題があることは否定できません。
生産方法は、ガイドラインで指定されているわけですが、土壌や水の違い、各農家の工夫の違いで食味の数値が異なるお米が出来上がります。土壌の違いだけで、簡易食味計の数値が違ってきます。数値に大きな差が出れば、同じ品種であっても食感や味の違いが明らかにわかるようになってきます。
美味しいお米であることの前提としては、生産環境が均一のお米が望ましいです。そのため、つや姫やゆめぴりかなどの品種に関係なく、お米袋の裏をみて、生産者が記されているものを選ぶのが良いでしょう。
②釜が悪い問題
よく聞くお話の一つが、「ホテルで食べたつや姫の味が美味しくなかった」ということです。ホテルのお米が良いお米を使っていると宣言しているのに対して、味が悪いことがあります。
この場合、考えられるのが、釜が悪いことです。お米は季節によって含有水分などの成分が異なりますので、炊き方に工夫をしなければ、柔らかくなりすぎたり、逆に硬くなりすぎてしまう場合があります。この調整を行うのに、大きな釜の場合、調整が難しいことがあります。
そのため、使っている炊飯器に問題が原因であることも中にはあると思われます。
③炊飯に使う水の問題
ミネラル豊富な硬水を使うと、お米への水の吸収が悪くなるため、硬いお米になります。そのため、炊飯の場合は、軟水で炊くことが基本です。
ミネラルウォーターをコストコなどで購入している場合は、注意が必要です。外国産のミネラルウォーターの硬度を見ると、硬水と書いてあることが多いからです。
また、飲食店の場合、水道水で炊飯を行うところの方が一般的だと思います。地域にもよりますが、水道水がカルキ臭いと、当然その水道水で炊飯したお米もカルキ臭くなります。
つや姫やゆめぴりかなどのいいお米を使っても、水のにおいがうつってしまえば、美味しく無くなりますよね。
また、水は低温のもので炊飯した方が、美味しく炊けると知られています。その関係で、常に温度を調節しているウォーターサーバーの低温のお水を使うのが良いでしょう。
④本物のつや姫なのか?
その食べているお米は、本当につや姫なのでしょうか?以前、有名ブランド米に、他の産地のお米がブレンドされていたことが隠されていて、それが問題になったことがありました。
例えば、価格競争が激しい場合、特定の比率で別の産地のお米を混ぜて提供されていることもありえます。パッケージの生産地の部分や袋にロゴが印字されているかなどは確認するべきでしょう。
つや姫やゆめぴりかなどの品種に限らず、精米の時期や保存方法によって、ひどい食味の低下があります。そのため、販売者が不明のフリマアプリなどでの購入はおすすめしません。
⑤ブランド米自体が好きではない可能性
基本的に、ブランド米と呼ばれるお米は、どれもが単品で食べれるくらいの味がするお米です。
食事の取り方にもよりますが、食味の強いつや姫のようなお米は、むしろ好きではないと口にする人もいるとは思います。そのため、つや姫ではなくはえぬきを注文する人も一定数存在します。
同じ特Aランクのブランド米でも、しっかり・甘い・さっぱり・もっちりのマトリクスで比較すると、実は大きく違っています。(このマトリクスは、林修の今でしょ!講座のご飯スペシャルに登場したものを編集しました。)
つや姫は、甘みが強く、弾力と粘り気が両立していることがわかります。コシヒカリは、つや姫と比べると、甘みが弱く、さっぱりしており、弾力よりももっちり加減が強いです。例えば、ササニシキを食べ慣れていて、美味しいと感じる時は、つや姫は、甘すぎることがわかります。
絶対に外さないつや姫の選び方
まずいお米に一回当たったから、そのお米はまずいと判定するのは、早すぎると思います。その品種自体が口に合わないからまずいこともありますが、上記でも示した通り、炊飯の問題や購入したつや姫が間違っていることも挙げられます。
もし、美味しいお米を探すのであれば、少量でもいいので、その品種の美味しいお米を食べて見ることです。少量のお米セットは、百貨店や週末マルシェなどで販売されていることが多いです。新米の時期になると、積極的な販売競争が起こるため、これらのお試し用のお米は購入しやすくなります。
つや姫は、前提として、コシヒカリが美味しいと思っている人のお米です。それでも、「つや姫がまずい」と思ったのであれば、買い方がまずかったのかもしれません。
- つや姫は山形県産がおすすめ(つや姫本来の甘みと食感が堪能できる)
- ロゴが入っている袋を選ぶ
- 購入は、可能な限り、山形県内の農家か米屋から購入する。
Amazonでは、主に卸売大手が販売しています。購入する時は以下のような生産者がわかるものを選ぶと、美味しいつや姫を購入することができます。
また、30キロの米袋は、それぞれの生産者が袋詰めを行い、出荷しています。つまり、30キロの米袋で流通しているつや姫は、生産者が混在していないお米である可能性が高いです。なお、精米すると、10%ほどお米の重量が減ります。そのため、玄米30kgを精米すると、27kgになります。
まとめ
つや姫はブランド米の中でも知名度の高い美味しいお米として知られています。もし、味に違和感を感じた時は以下の項目を確認してみましょう。
- 農家直送米なのか?
- 炊飯方法は合っているのか?
- 水に硬度の高い水を使っていないか?
- フリマアプリなどで販売者や精米日不明の米を買っていないか?
- つや姫の甘みや食感がそもそも苦手ではないか?
美味しいお米との出会いは、毎日の食事を豊かにします。自分にあったお米が見つかると、食事が楽しみになります。