「どうせ食べるなら、美味しいお米を食べたい!」と思うのは、当たり前のことです。しかし、美味しいお米を自分で探すのは非常に難しいことだと思います。
そこで、美味しいお米を探す上での基準を紹介したいと思います。
美味しいの基準は主観であるため、人によって異なります。ここでは、一般的に品質や食味が良いと言われる基準で紹介します。基準を満たしていないお米も美味しいですし、十分な場合もあります。
①単一原料米である
まず最初に、単一原料米であることが重要です。単一原料米とは、つや姫ならつや姫、コシヒカリならコシヒカリしか入っていないという1つの品種のみのお米であるということです。これに対して、複数のお米や精米・生産時期の違うお米が混ざっているものを複合原料米といいます。
業務用のお米であれば、食味をよくするために、わざとブレンドすることがありますが、一般販売されているお米は、ブレンドすると食味が下がります。一般的に、生産時期や精米時期が異なる余ったお米同士を混ぜて販売することもあり、美味しさの基準を設けるのであれば、一番最初に単一原料米であることが重要視されます。
②精米時期が新しい
精米とは、お米の表面を削ることで、食べない箇所を削ぎ落とします。玄米は精米されていないお米と認識されがちですが、玄米は精米の度合いを弱くした玄米精米を行っていますし、無洗米は、大きく削り取ることで、研ぐ手間を排除したものです。
精米した瞬間からお米の酸化が始まるため、精米してから期間が経過しているとお米の美味しさが劣化しています。そのため、通販であれば、「出荷する際に精米します」などの記述がある通販サイトから購入するのが良いでしょう。
③生産者もしくは生産ファームの記述がある
お米の評価は、産地でされがちです。もちろん、天候、気温、水が美味しさに大きな影響を与えます。しかし、さらに言及をすれば、圃場ごとに生産者が異なり、生産者によって実は管理の方法も異なります。
生産地のみの記述のお米は、カントリーエレベーターなどに集荷され、お米の籾を混ぜて保存しているものもあります。生産者や生産方法に指定がある米の品種では、そこまで大きな品質の差はありませんが、業務用のお米では、収量を増やすための生産をしている農家と食味を重視している農家に分かれ、それらが混ぜられています。
時期によって、同じ産地の同じお米を食べた時に、美味しさが異なる原因の1つです。
そのため、美味しいお米を追求するのであれば、生産地よりも生産者をみましょう。
④保存方法に低温保存を採用している
お米の保存方法は、室温保存と専用の冷蔵庫で保存している低温保存があります。精米をする前でも、お米の食味を劣化するからです。
販売者によっては、農家に保存を一任しています。農家がコストを抑えるために、保存設備を用意していないこともあります。
そのため、低温保存をしている、冷蔵庫で保存しているなどの表記があるお米を選択しましょう。
⑤特別栽培を行っている、または、特別栽培が義務付けられている品種を選択する
特別栽培米とは、文字通り一般的なお米と異なる生産方法をしているお米です。
特別栽培には、減農薬や化学肥料を減らした農法、もしくは、全く使わない農法を採用しているお米です。
農薬の使用は、食味には関係ありませんが、化学肥料は米粒に含まれるタンパク質に影響しますので、大きな影響を与えます。
- コシヒカリなどでは、特別栽培、無農薬などの表示がされている。
- つや姫などでは、生産者に特別栽培が義務付けられている。
⑥生産地
コシヒカリは、新潟の環境を基準に開発されたお米です。同じようにつや姫は山形の環境を基準に開発されました。つまり、最適環境は、その品種の開発された生産地であり、それ以外の生産地では、最適環境からズレが発生します。
本来のその品種の食味を味わいたい時は、生産地も基準に入れます。ただし、お米の美味しさは、管理によるところが大きいですので、生産地は全てではありません。
美味しさの基準とは言えないもの
農薬:無農薬の場合、虫食いなどで食味が逆に落ちる可能性が高いです。
ロゴ入りの袋:売り手の都合で、ロゴ入りのお米の注文から到着が7日くらいかかるので、ロゴなしの袋を使う時があります。ロゴのありなしは米の品質とは関係ありません。百貨店で使われている米袋は、実は業者が一般的に販売しています。
価格:値段で良し悪しを決める人もいますが、受賞農家が独自栽培でもしない限りは、内容物に大きな差がある場合は少ないです。百貨店のお米は、百貨店側の取り分が多いため、価格が異常に高くなっています。特にパッケージに何も書いていないものが、極めて特別というわけではありません。