コシヒカリのブランド力は凄まじく、美味しいお米の代名詞といってもいいのがこの品種です。全国の作付け面積もダントツのトップで、日本の田んぼの3分の1は、コシヒカリを作付けしています。
昨年は、食味官能試験のランキングで、絶対王者の印象が強かった魚沼産コシヒカリが特A→Aに落ちたショッキングな事件が印象深いです。
アメリカなどの海外でも栽培され、人気の品種です。コシヒカリの特徴についてまとめたいと思います。
コシヒカリとは?
従来型のコシヒカリとコシヒカリBLの違いとは?
コシヒカリというと、単一の品種だと思ってしまいますが、実は、コシヒカリ単一のものと、コシヒカリをルーツとした複数の品種を混合して育成させるコシヒカリBLというものがあります。コシヒカリとついていますが、似通っていますが別の品種になります。
この2つは、出荷段階では、どちらもコシヒカリになるため、見分けることができません。
なぜ、このようなことをしているかと言えば、コシヒカリの生育の問題です。コシヒカリは非常に稲熱病に弱いため、安定した食味を出すためには、この対策を行わなければなりません。そこで生まれた対策がコシヒカリBLです。
新潟県産コシヒカリは、農協を通しているものは、BLになります。これは、従来型のコシヒカリが奨励品種から外れたためです。
食味の違いは、同じとされていますが、コシヒカリBLは混合品種であるコシヒカリとは別の品種ですので、年によっては大きく違う可能性もあるそうです。(もしかしたら、これが特A落ちした原因かもしれませんね。)
ブランド米とコシヒカリの関係性
コシヒカリという絶対王者に対して、各生産地は、お米の価値を高めるためには、コシヒカリを抜く食味を発揮し、生産性も兼ね備えた品種を開発することが必要とされてきました。
そこで、各都道府県は、自県発祥の自県ブランドのお米、いわゆるブランド米を開発するのに舵をきったことになります。
ほとんどのブランド米は、コシヒカリをそのルーツの一つとしていることが多いことから、食味においてコシヒカリがどれだけ優れているのかがわかります。
また、全国食味官能試験の基準は、生産地を混ぜたスーパーなどで販売されているコシヒカリのブレンドです。全国の特Aに指定されているブランド米は、どれだけ食味が強いのかもわかります。
美味しいお米の選び方とは?どんなお米が美味しいのか?でも説明をしていますが、同じ品種でも生産方法の環境の違うお米をブレンドすると食味が低下します。
同じコシヒカリでも味に違いが出る大きな要因になります。特に、ブランド価値が他のお米に比べるとはっきりしているため、ブレンドによる食味の低下のリスクを受けやすい品種ではあります。
話を戻します。
ブランド米の多くはコシヒカリが系統に入っています。そのため、コシヒカリの美味しさを活かしたものになっており、比較すると、ブランド米の方が全体的に甘さが強い印象があります。
これは、良い意味で味が濃い、美味しい。そして悪い意味では、味がくどい、飽きやすいということになります。そのため、ブランド米ではなく、コシヒカリを好む人の中にはいます。価格も富山県産などはお手軽な価格で販売されていることもあり、コシヒカリは家庭にも優しい品種だと言えます。(ただし、これは産地による)
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コシヒカリよりもブランド米
新潟県のブランド米であるコシヒカリ。実は、作付においては、難しいところが多いです。
稲熱病に弱いこともありますが、稲高が高いこともあります。そのため、風に弱く、すぐに倒れます。
倒伏といいますが、これをやると、収穫がしづらくなることと、地面に穂がつくことで、米の発芽が促されます。その結果味が落ちます。
高いお米の代名詞であったコシヒカリも生産しづらいのでは大変です。そこで、ブランド米など、各地にあった品種が開発され、味が強い稲高が短いつや姫などが生まれたことになります。