【2025年度版】食味ランキング特A受賞のお米銘柄一覧

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2025年2月28日、日本穀物検定協会から令和6年産米(2024年産)の食味ランキングが発表されました。今年の特A評価獲得銘柄は39点と、前年と比べて4点減少し、11年ぶりに40を下回る結果となりました。

食味ランキングの判定方法から今年の特A米の特徴、そして産地ごとの詳細情報まで、徹底的に解説します。

目次

食味ランキングとは:特Aの評価基準

食味ランキングは、良質な米作りの推進と米の消費拡大を目的として昭和46年から毎年実施されている評価システムです。日本穀物検定協会が主催し、産地および品種ごとに米の食味試験を行い、「特A」「A」「A’」「B」「B’」の5段階で格付けしています。(公表は、特A~A’)

評価基準として複数産地の「コシヒカリ」のブレンド米が使用され、約100人の試験官が「外観」「香り」「味」「粘り」「硬さ」と「総合評価」の6項目について判定を行います。特Aは、基準米よりも特に良好であると評価された最高位のランクであり、多くの消費者にとって米選びの重要な指標となっています。

今年の特A評価獲得数は39点となり、前年から4点減少しました。この減少傾向は、収穫時期の厳しい残暑が影響しており、特に関西より西のエリアでは評価を下げたケースが多く見られました。一方で、天候に恵まれた北海道、東北、北陸などの地域では評価を上げるケースが目立ちました。

2025年特A獲得品種

2025年2月28日に公表された特Aランク米のリストは以下のようになります。

産地地区品種令和6年産
北海道ななつぼし特A
北海道ゆめぴりか特A
青森津軽はれわたり特A
岩手県中銀河のしずく特A
宮城つや姫特A
秋田県南あきたこまち特A
秋田サキホコレ特A
山形村山・置賜つや姫特A
山形庄内雪若丸特A
山形置賜雪若丸特A
埼玉県西彩のきずな特A
新潟魚沼コシヒカリ特A
富山コシヒカリ特A
福井いちほまれ特A
長野北信コシヒカリ特A
長野東信コシヒカリ特A
岐阜美濃コシヒカリ特A
栃木県北コシヒカリ特A
静岡中部きぬむすめ特A
静岡西部にこまる特A
三重伊賀コシヒカリ特A
京都県北コシヒカリ特A
兵庫県南きぬむすめ特A
鳥取きぬむすめ特A
島根きぬむすめ特A
岡山きぬむすめ特A
高知県北にこまる特A
高知県西にこまる特A
佐賀さがびより特A
佐賀夢しずく特A
大分西部ひとめぼれ特A
鹿児島県北あきほなみ特A

コシヒカリ

コシヒカリは今年も9つの産地で特Aを獲得し、依然として日本を代表する品種としての地位を保っています。コシヒカリの特徴は、粘りの強さにあります。噛むほどに広がる独特の甘みと弾力性のあるもっちりとした食感が特徴であり、冷めても美味しさが持続します。

きぬむすめ

きぬむすめは7つの産地で特Aを獲得し、コシヒカリに次ぐ存在感を示しています。ほどよい甘みともっちり感がありながらソフトな食感を持ち合わせるという絶妙なバランスが特徴です。炊き上がりの白さとツヤが非常に良く、冷めても美味しく食べられるため、お弁当やおにぎりにも最適です。粒は適度な大きさで、すっと口中から喉を通るさっぱりとした後味も特徴的です。

にこまる

にこまる(4産地)は温暖化に適応した品種として開発された経緯を持ち、昨今の気候変動下でも安定した品質を保持できることから特A評価を獲得しています。粘りと甘みのバランスが良く、冷めても硬くなりにくいという特性があります。炊き上がりはツヤと透明感があり、口当たりがなめらかで後味もさっぱりとしているため、和食から洋食まで幅広い料理と相性が良いです。

つや姫

つや姫は山形県を中心に3つの産地で特Aを獲得しました。名前の通り、炊き上がりの白さと強いツヤが特徴的で、一粒一粒が輝くような美しさがあります。粘りと甘みのバランスが良く、噛むほどに甘みが広がり、冷めても味わいが持続します。粒はやや大きめでしっかりとした食感があり、日本の伝統的な味わいを大切にしつつも、現代の食生活に合わせた特性を持っています。

雪若丸

雪若丸は山形県の2つの産地で特Aを獲得しました。つや姫とともに山形県を代表する品種で、適度な粘りと弾力性のある食感が特徴です。粒はやや大きめでしっかりとした歯ごたえがあり、かむほどに甘みが広がります。さっぱりとした後味があるため、どんな料理にも合わせやすく、冷めても硬くなりにくい特性があります。

ななつぼし

北海道を代表する特A米である「ななつぼし」は、粘りと甘みのバランスに優れた品種です。適度な粘りと弾力性があり、冷めても美味しさをキープする特性があります。炊き上がりはツヤがあり、口当たりがなめらかで後味もさっぱりとしています。寒暖差の大きい北海道の気候が生み出す深みのある味わいが特徴で、どんな料理とも相性が良いです。

ゆめぴりか

北海道が誇る特A米「ゆめぴりか」は、粘りが強くもっちりとした食感と豊かな甘みが特徴です。炊き上がりは白く輝くような美しさがあり、一粒一粒にツヤと透明感があります。噛むほどに甘みが広がり、冷めても美味しさが持続します。寒暖差の大きい北海道の気候が育んだ深みのある味わいは、多くの米愛好家に高く評価されています。

はれわたり

青森県の「はれわたり」は2年連続で特Aを獲得しました。暑さに強い品種で、粘りが強く、やわらかい食味が高く評価されています。寒冷地である青森県で栽培されることで、適度な甘みとコクが生まれ、冷めても美味しさが持続します。粒はやや小ぶりながらもしっかりとした食感があり、和食との相性が特に優れています。

銀河のしずく

岩手県中部で栽培される「銀河のしずく」も特Aを獲得しました。炊き上がりが白く、つやのある美しい外観が特徴です。大きい粒とほどよい粘り、軽やかな食感が調和したバランスの良さが評価されています。一粒一粒が透きとおるように輝き、噛むほどに甘みが広がり、冷めても変わらぬ味わいを楽しめます。

いちほまれ

福井県の「いちほまれ」は3年連続で特Aを獲得しました。高温に強い特性を持ち、暑さの厳しかった2024年も品質を維持しました。かみ応えと粘りのバランスが良く、上品な甘さが特徴です。コシヒカリをルーツに持ちながらも独自の食味を持ち、炊き上がりの美しさも特筆されます。

あきほなみ

九州からは鹿児島県北部の「あきほなみ」が2年連続で特Aを獲得しました。鹿児島県オリジナルの品種で、出穂期が遅いため高温による品質低下を受けにくく、耐倒伏性が高く、収量性に優れています。粒が大きく粘りが強いのが特徴で、冷めても美味しく食べられます。名前は「秋にたわわに実った稲穂が波打つ様子」からイメージして付けられました。

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特A獲得産地の詳細分析

品種別の特A獲得産地一覧

各品種の特A獲得産地を詳しく見ていきましょう。山形県は4つの産地・品種で特Aを獲得し、最も多くの特A米を有する県となりました。次いで北海道、秋田県、長野県、静岡県、兵庫県、高知県、佐賀県がそれぞれ2つの産地・品種で特Aを獲得しています。

コシヒカリ(9産地):
栃木県北部、新潟県魚沼、富山県、長野県北信、長野県東信、岐阜県美濃、三重県伊賀、兵庫県北部、徳島県南部。

きぬむすめ(7産地):
静岡県東部、兵庫県南部、和歌山県北部、鳥取県、島根県、岡山県、山口県。

にこまる(4産地):
静岡県西部、愛媛県、高知県北部、高知県西部。

つや姫(3産地):
宮城県、山形県村山、山形県置賜。

雪若丸(2産地):
山形県庄内、山形県置賜。

その他の品種は各1産地で特Aを獲得しています。

地域別の特徴と傾向

今年の特A獲得傾向から見えてくるのは、気候変動への対応が食味に大きく影響しているという点です。残暑が厳しかった関西より西のエリアでは評価を下げたケースが多い一方で、天候に恵まれた北海道、東北、北陸地方では評価を上げたケースが目立ちました。特A獲得39銘柄のうち、23銘柄は高温に強い品種であり、気候変動に対応した品種開発と栽培技術の重要性が浮き彫りになっています。

山形県は特Aを4点獲得し、その存在感は際立っています。特に「つや姫」と「雪若丸」は安定した評価を得ており、山形県の米作りの技術の高さを示しています。北海道も「ななつぼし」と「ゆめぴりか」で特Aを獲得し、寒冷地ならではの味わい深さを評価されています。

2025年の特A米から見る日本の米作りの課題と未来

特Aが40を下回ったのは13年産以来で、高ランクの産地銘柄が減少しています。この背景には気候変動の影響があり、産地は高温対策として品種選択や栽培技術の改良に取り組んでいます。例えば富山県では、高温に強い「富富富」をはじめとする県育成の高温耐性品種の作付割合を高め、技術対策の徹底を図っています。

興味深いのは、徳島県南部産コシヒカリが初めて特Aにランクインしたことです。徳島南部は10年程前から生産者と一体になり、良質な早場米コシヒカリを「阿波美人」としてブランド化する取り組みを進めており、長年の努力が実を結んだ形となりました。

近年では、従来の米どころの品種との入れ替わりが進んでおり、それだけ気候変動の影響が大きく、生産者にとって厳しい状況が続いていることがうかがえます。しかし、特Aが設定された平成元年以降、わずか1年を除き35年にわたり特A評価を維持し続けている「新潟魚沼産コシヒカリ」のように、伝統的な銘柄の強さも依然として健在です。

まとめ

食味ランキングは米の客観的な評価基準の一つですが、日本穀物検定協会は「米の食味ランキングは、主な産地品種銘柄について、当協会がその供試試料を食味試験した結果に基づいて評価するものであり、流通するすべてのお米を評価しているものではありません」と注意喚起しています。また、精米袋等に特A評価を表示する場合は「商品そのものの評価ではありません」等と表示するよう求めています。

消費者としては、食味ランキングを参考にしつつも、自分の好みや料理との相性、価格などを総合的に考慮して米を選ぶことが大切です。気候変動が進む中、米づくりの課題は年々複雑化していますが、各産地の生産者たちは工夫や努力を重ね、私たちの食卓へ美味しいお米を届けてくれています。

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