令和7年の新米は、歴史的な猛暑に加えて、渇水が影響しており、田んぼにひび割れが発生しているニュースで騒がれています。さて、皆さんが気になっている今年の新米の品質や価格はどのようになるのでしょうか?現在までの情報を元に予想したいと思います。
新米の品質は悪い可能性が高い
猛暑と渇水といえば、近年では2023年(令和5年が該当)します。この時はどうだったかと言われると、以下のような状況でした。
- 全国的に大きく低下し、多くの地域で従来よりも「白未熟粒」(白く濁った玄米)など品質の劣化が目立ちました。
- 7〜8月の記録的高温と降水量不足でイネの登熟に障害が発生し、「胴割れ粒」や「乳白粒」といった品質不良米が増加。
- 新潟県産コシヒカリは、一等米比率が例年約80%からわずか4.9%、うるち全体でも15.7%と、過去最低の水準となった地域があります。
- 埼玉県は一等米31%(前年同期比22ポイント減)、愛知県は39%、兵庫県は34%と軒並み減少。
2025年は、この時に比べても、さらに気温が高い上に、米所である新潟、山形では厳しい渇水の状況となっています。
- 新潟県上越市高田の2025年7月の降水量はわずか1.0mmで、これは1922年の観測開始以来7月として最少、過去最悪の記録です。過去の最少は1994年7月の23.5mmだったので、今年の少雨ぶりが際立っています。また、平年値は206.8mmなので、わずか0.5%以下(約2%との報もあり)しか降っていません。
- 上越市だけでなく、県域の多くの地域で同様の少雨がみられ、ダムの貯水率も極端に低下しています。正善寺ダムの貯水率は7月末で13.5~13.8%程度と非常に低く、2018年や2023年よりも深刻な水不足と専門家は伝えています。
- 2018年は干天日(ほとんど雨が降らない日)が29日間、2023年が28日間だったのに対し、2025年は35日間(7月末時点)とさらに長く続いています。
- 米農家や自治体は井戸水の利用や取水制限、緊急の渇水対策に迫られ、田んぼのひび割れ・稲の枯死事例も複数報告されています。
- 国土交通省は2017年以来8年ぶりに新潟・東北の渇水対策本部を設置し、取水制限などの特別措置を始めるなど対応に追われている状況です。
つまり、2023年度以上に深刻であるため、深刻ないもち病などが原因で、一等米比率はさらに低くなると想定されます。
新米の価格は昨年の水準を超える高水準
皆さんが気になるお米の価格に関しては、昨年よりも高くなると想定されます。その理由は、今年から各地のJAでは買取価格を導入している地域では、60kgを3万円を超える価格を提示しています。
- JAは2025年産米の確保を優先し、農家への前払いである「概算金」を昨年比3〜5割増と大きく引き上げています。
- 新潟県の「コシヒカリ」:JA全農新潟は、2025年産の概算金を60kgあたり2万3,000円(昨年比35%増)、目標額は2万6,000円(昨年比5割増)以上としています。これは過去にない高値水準であり、最低保証価格として下回ることはないとしています。
上記の情報は現在までの情報をまとめているので変更されている可能性もあります。さらに、今年は2023年を超える異常気象であるため、大凶作になる可能性が高く、コメの在庫の争奪戦が2024年よりも激化すると考えられます。さらに、小泉進次郎農相の肝煎りの備蓄米の随意契約の政策もあり、今年は放出ができる備蓄米がありません。そのため、外国からの緊急輸入などで対処するしか方法がないため、国内米は相対的に価格を下げる理由がなくなります。
2025年の新米は、つや姫や雪若丸がおすすめ
この異常な日照日数を考えると、今年もいもち病に耐性が低い米の品種の品質は安定しません。そのため、いもち病耐性の高いつや姫や雪若丸がおすすめです。
また、いもち病耐性が高いお米の品種は、生産面積が主要品種に比べると限られているので、今年は激しいお米の争奪戦は避けられないと考えます。農家から直接購入するのが安いですが、今年のお米の取引価格は、数年前の約3倍ですので、縁故米などの流通は減り、高い価格が提示されることでしょう。
価格が変更されないうちに予約した方が良いかも
