備蓄米の大放出で、安価な古米が流通が開始されました。大手スーパーやコンビニエンスストアで流通される予定ですが、今後気になるのは、新米の価格です。新米の価格は下がるのでしょうか?
2025年の新米の価格は下がらない
微妙に価格が下がることはあっても、ブランド米や一般の人が食べるコシヒカリなどの単一原料米の価格は下がらない可能性が高いです。今年の作付けは、飼料米や加工米が主食用のお米として転作され、生産量が大幅に増える見込みがあります。
新米の価格が下がらないと考えている理由は以下の通りです。
堂島取引所による先物取引相場
2024年産の国内の主食用のお米を対象に、堂島取引所でコメの先物取引が開始されました。先物取引(さきものとりひき)とは、将来の決められた日(期日)に、現時点で取り決めた価格で特定の商品や資産を売買することを約束する取引です。つまり、事前に仕入れ値を決めて取引がされており、日本の主食米は、現在金融商品化されています。

堂島コメ平均の取引価格をみると、新米が流通する2025年10月の現在の取引価格は29,050円/60kgで取引される予定です。この価格は、昨年のJAの概算金(その段階での仕入れ値。その後の相場が上がれば農家に追加払いがある)は、16,000円台の産地が多く、新米の時期のみで比較すれば、1.8倍の価格になっています。
コメであっても一般のマーケットに違いがありませんので、高い金額で購入する事業者の方に現物が引き渡されます。そのため、先物取引価格に相場の価格が引っ張られますので、2025年の新米は値下がりする可能性は、極めて低いといえます。
2024年問題、燃料費高騰の影響で流通コストが増大
難しく書いていますが、要は、ドライバーが確保できない上、トラックの燃料費も高騰しています。トラックも工業製品ですので、人員を増やすとトラックを新規で購入しなければなりません。米の流通でこれらの負担を負っているのは、卸売業者です。そのため、流通コストがお米の価格に上乗せされます。
精米コストの高騰
精米は、力仕事でもあります。卸売業者が、JAや農家から仕入れた玄米や籾から白米を精米します。玄米の米袋は1袋30kgです。精米をしたら、その後は袋詰めを行い、製品化をします。これらの工程は、完全に機械化することはできないため、人件費がかかります。この人件費も、新米の価格に反映されます。
2025年のお米の購入はどうすれば安く買える?
2025年の新米を安く購入するためには、市場価格が影響しない購入方法を選ぶのが良いでしょう。一番は、生産農家から購入することです。生産農家から購入することで、概算金を基準にした金額(概算金よりも高く、一般市場価格よりも安い金額)で購入することができます。
30kg玄米で購入する
30kgの玄米は、多くの農家が保存している状態です。この状態で出荷ができれば、精米・小分けをする必要がありませんので、その分価格が安くなります。もし、精米をし、袋を小分けするとなると、まとめて送ることもできません。そのため、流通コストが高くなりますので、安くなりません。
年間分を予約購入する
1年に食べるお米の量を保存してもらいます。今の農家は、売り先が多数存在する状態ですので、年間分を予約しておかないと、在庫がなくなり購入ができなくなってしまいます。そのため、年間分を予約しましょう。