さがびよりは、佐賀県農業試験研究センターが平成10年(1998年)から10年以上かけて育成した佐賀県オリジナルの水稲品種です。地方番号「佐賀37号」として開発され、2009年(平成21年)から本格栽培が始まり、2011年に品種登録されました。母本に佐賀県の「天使の詩(佐賀27号)」、父本に愛知県の「あいちのかおりSBL(愛知100号)」を交配した品種で、コシヒカリ系の粘り・甘みとあいちのかおり由来の大粒・冷めても美味しい特性を兼ね備えています。最大の特徴は、日本穀物検定協会「米の食味ランキング」において、デビュー初年度の平成22年産から令和7年産(2026年2月発表)まで16年連続で最高評価「特A」を獲得している点です。佐賀県内の作付面積は2024年時点で約6,693haと県内トップ(約3割)を占めており、登録制による厳格な品質管理と「さがびより米マイスター」制度が高品質を支えています。
(さがびよりとは?)
さがびよりは、佐賀県農業試験研究センターが育成した、佐賀県が誇るオリジナルブランド米です。地方番号「佐賀37号」として平成10年(1998年)に交配がスタートし、10年以上の歳月をかけて完成。平成21年(2009年)から本格栽培が始まり、平成23年(2011年)に品種登録されました。
「さがびより」という名前には、佐賀のおだやかな気候・肥沃な大地・豊かな水の恵みを生かし、農家が雨の日も風の日も知恵と努力を重ねて迎えた収穫の日—その「晴れやかな佐賀日和(さがびより)」を表す思いが込められています。農家の苦労と誇りを品種名そのものに刻んだ、佐賀ならではのブランド米です。
品種の成り立ちと背景
佐賀県では平成10年頃、ヒノヒカリが作付面積の50%超を占める主力品種でしたが、一品種への集中はリスクを内包します。さらに地球温暖化の進展により、ヒノヒカリが苦手な高温登熟障害が多発。「ヒノヒカリの高い壁を超える」という目標のもと、同じバランス型ではなく独自の食味を追求するという決断から、さがびよりの開発が始まりました。母本にはコシヒカリ系の粘りを持つ「天使の詩」、父本には大粒で冷めても美味しい「あいちのかおりSBL」を選び、両親の長所を受け継いだ新しい食味を目指した品種です。
★ さがびより 誕生フロー
(さがびよりを選ぶ目的・価値)
さがびよりは食味・品質管理・ブランド安定性・産地規模の四つの軸ですべてが高水準にそろった品種です。飲食事業者・小売業・食品加工業者が調達先として検討する理由が多くあります。
🏆 16年連続特A・西日本最強クラスの食味実績
平成22年産(2010年)から令和7年産(2025年)まで16年連続で特Aを獲得。これは全国でもトップクラスの記録です。日本穀物検定協会からも「食味がずば抜けていたのに加え、見た目や香りも良く、非常にバランスが取れている」と評されています。
📋 登録制と米マイスター制度による品質保証
生産者・生産地は登録制で管理され、優秀な生産者が「さがびより米マイスター」として地域条件に応じた栽培指導を実施。一等米比率100%・整粒歩合70%以上など厳格な出荷基準をクリアしたものだけが統一デザインの袋で出荷されます。
🌡️ 高温登熟耐性で九州の酷暑に対応
開発当初から高温登熟耐性を核心に据えた品種で、近年の夏の酷暑下でも品質低下が起きにくい特性を持ちます。気候変動が激しい時代に、西日本産米の安定調達先として極めて高い信頼性があります。
📦 佐賀県内作付首位・安定的な供給量
2024年時点で佐賀県内の作付面積は約6,693haと県内全品種中トップ(約3割)を占めています。カントリーエレベーター27か所・ライスセンター98か所の共同乾燥調製施設体制で、均質かつ安定した供給が可能です。
❄️ 冷めても美味しい万能性
父本「あいちのかおりSBL」由来の「冷めても美味しい」特性を受け継いでいます。炊きたての旨みだけでなく、お弁当・おにぎり・ホテルの朝食ビュッフェなど、温度変化が伴う業態でも品質を維持します。
🌏 稲作発祥の地・佐賀平野のブランド力
佐賀県唐津市周辺は日本最古の水田跡とされる菜畑遺跡が位置する稲作発祥の地。筑後川水系を源にした肥沃な佐賀平野という産地背景は、食材ストーリーとしての訴求力も高く、メニューや商品パッケージでの差別化に活用できます。
(食味・品種特性の詳細)
① 大粒でツヤのある外観
さがびよりの粒は大きく、炊き上がりはつやつやと光沢を放ちます。粒ぞろいが良く整粒歩合70%以上という出荷基準が設けられているため、見た目の美しさが際立ちます。白さとツヤの美しい炊き上がりは、ホテルビュッフェ・和食割烹・高級おにぎり専門店など、見た目の品質が重要な業態から高い評価を受けています。
② モチモチ食感と適度な粘り
母本「天使の詩」から受け継いだコシヒカリ系の粘りがさがびよりの食味の核心です。もっちりとした食感で噛みごたえがあり、口の中に旨みが広がります。粘り一辺倒にならずバランスの良い食感は、白米そのものの美味しさを際立たせ、どんなおかずとも相性が良い万能性があります。
③ 焉みと香りの豊かさ
甘みと香りの豊かさは、さがびよりの食味評価で特に高い点数を得ている項目です。おかずなしでも十分に美味しく感じられるほどの旨みがあります。2012年産の食味ランキングでは全国128銘柄の中で2位という最高水準の評価を獲得し、食味のずば抜けた高さが全国的に認知されました。
④ 冷めても美味しい特性
父本「あいちのかおりSBL」の最大の特徴が「冷めても美味しい」という点で、さがびよりはこの特性を色濃く受け継いでいます。炊飯後に時間が経過しても、粘りや旨みの劣化が起きにくく、おにぎり・お弁当・テイクアウト用ご飯など多様な業務用途に対応します。
⑤ 耐候性と耐倒伏性
台風が多い佐賀・九州の環境に対応した耐倒伏性を持ちます。2006年の台風13号来襲時にも他品種に比べて倒伏が少なかったという実績があり、その強さが佐賀県オリジナルとして採用される決め手になりました。なお、いもち病への圃場抵抗性はやや弱めのため、山間部など冷涼な環境には不向きとされています。
比較テーブル:さがびよりと主要九州産・全国ブランド米との比較
| 品種名 | 産地 | 食味の特徴 | 粘り | 特A連続年数 | 冷めた後 | 粒の大きさ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| さがびより | 佐賀県 | 大粒・ツヤ・甘み・香り・もっちり | 中〜やや強 | 16年連続 | ○○ 良好 | 大粒 |
| あきほなみ | 鹿児島県 | 大粒・甘み・さっぱりモチモチ | 強(適度) | 通算10回 | ○○ 良好 | 大粒 |
| 夢しずく | 佐賀県 | 柔らかく粘り強め・ふっくらツヤ | やや強 | 3年連続(令和5〜7年産) | ○ 良好 | 中粒 |
| ヒノヒカリ | 九州・西日本 | 甘み・バランス良・西日本の定番 | 中〜やや強 | 年産により変動 | ○ 普通 | 小〜中粒 |
| にこまる | 九州・四国 | 大粒・粘り・濃い旨み | 強 | 複数年獲得 | ○ 良好 | 大粒 |
| つや姫 | 山形県 | ツヤ・甘み・上品な粘り | 中〜やや強 | 15年連続 | ○○ 良好 | 中粒 |
| コシヒカリ(魚沼) | 新潟 | 濃い旨み・強い粘り・プレミアム | 強 | 35年以上(断続的) | ○ 良好 | 中粒 |
| 森のくまさん | 熊本県 | 甘み・粘り・ふっくら | 強 | 複数年獲得 | ○ 良好 | 中粒 |
※特A連続年数は公開情報をもとにした目安です。産地・年産により評価は変動します。
(食味ランキングの実績)
さがびよりの食味ランキングにおける実績は、全国のブランド米の中でも際立っています。デビュー初年度からの連続特A獲得は、産地一体となった品質管理の積み上げの結果です。
16年連続特A
日本穀物検定協会「米の食味ランキング」平成22年産〜令和7年産(2026年2月発表)
※佐賀県産米として初の特A品種。デビュー年から一度も途切れることなく最高評価を維持。2012年産は全国128銘柄中2位の最高評価を獲得。佐賀県内作付面積約6,693ha(2024年)で県内トップ。
特筆すべきは「デビュー年から一度も途切れることなく16年連続」という点です。品種によっては年産によってランクが上下することも珍しくない中、さがびよりはその一貫性こそが最大の強みです。これは栽培技術の安定性と産地全体の品質管理体制の高さを証明するものであり、飲食業・食品加工業が安定調達先として信頼を寄せる大きな根拠になっています。
大粒でツヤが美しく見た目の品質が高い
豊かな香りが口中に広がる高評価
甘みと旨みが豊富・おかずなしで美味
コシヒカリ系のほどよい粘りを継承
時間が経っても美味しさが持続
2012年産で全国128銘柄中2位を獲得
(産地と栽培管理・品質管理体制)
さがびよりの産地は佐賀県のみです。古くから稲作が盛んな佐賀平野を中心に、登録制による厳格な管理のもとで生産されています。
主要産地テーブル
| 地域 | 特徴 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 佐賀平野(中心産地) | 筑後川・嘉瀬川・六角川などの水系が形成した肥沃な平野。ミネラル豊富な農業用水が豊富。 | 日本最古の水田跡・菜畑遺跡が位置する稲作発祥の地。吉野ヶ里遺跡周辺も古くからの米どころ。 |
| 九州北部平坦地全域 | 普通期栽培の栽培適地として佐賀全域に広がる。温暖な気候と充実した農業インフラが特徴。 | 佐賀県内作付面積約6,693ha(2024年)で県内首位(約3割)。ヒノヒカリから切り替えが進んだ。 |
| (山間部は不向き) | 冷涼な山間部はいもち病リスクと栽培適性の観点から栽培が推奨されていない。 | 平坦地・温暖地に特化した栽培管理が品質の均質性を支えている。 |
登録制による厳格な品質管理
さがびよりは生産者・生産地ともに登録制で管理されており、誰でも作付けできるわけではありません。県段階に「さがびより技術指導チーム」が置かれ、共同乾燥調製施設ごとに任命された「さがびより米マイスター」が地域条件・気象状況に応じた栽培指導をきめ細かく実施しています。肥料の量や時期も田んぼごとに見極める徹底した管理体制が、16年連続特Aという結果の背景にあります。
厳格な出荷基準5項目
さがびよりの出荷は以下の5つの基準を満たしたものに限られ、基準をクリアしたものだけが統一デザインの米袋で市場に出回ります。①一等米比率100%、②整粒歩合70%以上、③玄米の水分含有15%、④玄米中のたんぱく含有6.8%以下、⑤出荷時は篩目1.9mmを使用—この基準の厳しさが、消費者・バイヤーが手にする「さがびより」の品質を均質に保っています。
共同乾燥平準化が安定供給を支える
佐賀県は全国に先駆け共同乾燥調製施設の整備を進めてきた県です。現在ではカントリーエレベーター27か所・ライスセンター98か所の施設を整備し、約80%という高い普及率を実現。各施設に色彩選別機を導入しながら品質の安定性を高め、大口需要者である食品加工業・外食チェーンへの均質・安定供給体制を整えています。
(さがびよりに関する最新ニュース)
令和7年産で16年連続特A獲得・JAさがが公式情報を発表
JAさがは公式サイトで令和7年産「さがびより」が日本穀物検定協会の食味ランキングで最高評価「特A」を獲得し、平成22年産から令和7年産まで16年連続の記録を達成したと発表しました。同じく「夢しずく」も3年連続(令和5〜7年産)で特Aを獲得しており、佐賀県産米のブランド力が一段と高まっています。
作付面積約6,693haで佐賀県内第1位を堅持・県内シェア約3割
2024年の佐賀県における作付面積は約6,693haと発表されました。これは佐賀県内全水稲品種の中でトップであり、県内全体の約3割を占めます。デビュー当初から進んできたヒノヒカリからの切り替えが定着し、佐賀県の看板品種としての地位が確固たるものとなっています。
高温耐性品種の特A独占が進む中、さがびよりの安定性が際立つ
近年の食味ランキングでは猛暑に対応できる高温耐性品種が特Aを多く獲得する傾向が続いており、高温耐性を開発当初から核心に据えたさがびよりの先見性が改めて評価されています。16年間途切れることなく特Aを維持してきた実績は、気候変動時代の安定調達先として西日本産米の筆頭候補としての価値を一層高めています。
複数の佐賀県自治体がふるさと納税返礼品として全国展開を強化
佐賀市・唐津市・みやき町・嬉野市など佐賀県内の複数自治体がさがびよりをふるさと納税の主力返礼品として展開しています。特A連続獲得の実績を前面に出したPRが奏功し、関東・関西からの需要も拡大中。特別栽培米や熟成米といった付加価値商品も登場し、希少性の高い佐賀産ブランド米として全国的な認知が広がっています。
(まとめ)
さがびよりは、「ヒノヒカリを超える」という高い目標のもと、台風・高温・いもち病という佐賀・九州の農業課題に正面から向き合って生まれたブランド米です。コシヒカリ系の粘りとあいちのかおり系の大粒・冷めても美味しい特性を組み合わせた独自の食味は、デビュー以来16年間途切れることなく特Aを獲得し続けるという形で証明されています。
登録制・米マイスター制度・5項目の厳格な出荷基準という三層の品質管理体制は、バイヤーが安心して仕入れを継続できる信頼の基盤です。稲作発祥の地・佐賀平野という産地背景も、食材ストーリーとしての訴求に有効です。
🌾 品種の特徴
1998年交配開始・2011年品種登録(佐賀37号)。天使の詩(母・コシヒカリ系)×あいちのかおりSBL(父・大粒・冷めても美味)の交配。高温登熟耐性・耐倒伏性に優れた中生の晩生品種。佐賀県内作付面積1位(約6,693ha・2024年)。
😋 食味の強み
大粒でツヤがあり、もっちり食感と豊かな甘み・香りが特徴。コシヒカリ系の粘りを受け継ぎながら冷めても美味しい。2012年産で全国128銘柄中2位を獲得。外観・味・香り・粘りのすべてで高い評価を誇り、和食・洋食・中華・弁当・おにぎりと幅広い用途に対応。
📊 評価実績
日本穀物検定協会「米の食味ランキング」特A・16年連続獲得(平成22年産〜令和7年産)。デビュー年から一度も途切れていない西日本最高クラスの継続実績。全国128銘柄中2位(2012年産)の評価歴あり。
📍 産地と管理
佐賀県のみで栽培(平坦地・温暖地限定)。生産者・生産地は登録制。さがびより技術指導チーム+米マイスター制度で品質指導。一等米100%・整粒歩合70%以上など5項目の出荷基準を設定。カントリーエレベーター27か所・ライスセンター98か所の共同乾燥調製施設体制で安定供給。
飲食店・ホテル・弁当業者・食品加工業者にとって、さがびよりは「16年連続特Aという品質の確かさ・登録制による均質な供給・高温耐性による年産安定性」の三拍子が揃った西日本産ブランド米の最有力候補です。小売業においても「日本一の稲作発祥の地・佐賀から届く16年連続特A米」というストーリーは消費者の購買意欲を高める強力な訴求軸になります。九州・西日本産ブランド米のラインナップにさがびよりを加えることで、産地の多様性と品質の高さを同時に訴えることができるでしょう。
