結論からいうと、お米の値段の相場は、買い方や品種によって異なります。お米の場合は、「安かろううまかろう」は成立せず、安いお米にはやはり理由があります。今回は、お米の相場の決定の仕方や購入の仕方によってなぜ価格が違うのかを紹介します。
お米の値段の相場はどう決まる?
お米の値段は、毎年違います。特に「今年は安くなりそうだ」などの情報も耳にすると思います。この一つの根拠は、JAが決定している概算金です。
概算金とは、JAグループがお米を引き取る時に農家に支払う一時金のことです。一般的な流通は、JAを通しますので、この概算金が高いと仕入れ価格が上がります。その結果、相場が上がります。
この概算金は、在庫に影響します。売れる品種は、どんどん売れるため在庫が減ります。それに対して、売れない品種は前年度の在庫が余っています。米は古米も売れることから長く売れる農産物です。そのため、在庫が一掃されることがなく、概算金が下がります。
お米の相場が下がることは一般家庭からすればとても喜ばしいことですが、農家からすれば生活を脅かすことでもあります。
同じ産地・品種のお米の価格が違う理由とは?
お米の相場を調べる中で、買い方によってお米の価格が違うことに気が付くと思います。これは、お米の流通の仕方が影響しています。
例えば、JAを通さない流通があります。ここでは、農家も高く売りたいため、付加価値をつけた生産を行っており、単一農家が生産した食味の高いお米が主に流通しています。いわゆる農家直送米です。
百貨店で販売されているお米は、農家が厳選されています。そして、百貨店側の販売マージンも大きく含まれており、そのため、農家から直接購入するよりもかなり値段が高くなっています。リーズナブルに美味しいお米を購入することができるのは、農家から直接購入する方法となります。
JAを通した流通では、卸企業を通して、さまざまな小売店に流通します。ドラッグストアやホームセンターのお米は、おとり価格と呼ばれる価格決定が行われています。要は、客足を呼び寄せるための価格決定で、利益率が低く設定されています。
極端に安いお米は、複合原料米か古米になります。複合原料米とは、たいていは2種類の品種をブレンドして販売するもので、基本的にはコシヒカリなど売れる品種に安い品種を混合して売価を下げています。また、単一原料米でも価格の安すぎるお米は、その年に取れたお米ではない可能性があります。古米の特徴は、水分が少ないため炊き上がりが固く、お米にも胴割れが目立ちます。
米の品種によって値段が異なる理由とは?
値段は、流通量および結局は売れるかで異なります。概算金の話題でも出しましたが、売れるお米ほど在庫がありません。これは買い手が潤沢に存在するからです。また、つや姫のようなブランド戦略が敷かれている品種は、生産量を制限しています。そのため、取れすぎるということがなく、値崩れ自体が起きづらいということになります。
逆に値段が安い品種は、生産制限がありません。そのため、このような品種を栽培している農家は、生産量勝負になり、生産量が最大化する生産方法を選択します。このような栽培を行なったお米は、基本的に食味が低下します。
値段が安いお米は、業務用としても流通しています。
お米の相場を調べるためには?
お米の相場は、品種でも異なりますし、売り場でも、その年の概算金でも異なります。そのため、この価格が適正という価格は算出することが非常に難しいです。
一般的に参考になるのは、Amazonです。理由は明確で大手米卸売業者が名を連ねているからです。基本的に小売店はこれらの業者から購入していることになりますので、ここで出されている売価と同じ価格では利益が出ないからです。
お米を一番安く美味しく買う方法は?
30kg玄米で購入します。ある程度調べてみましたが、通販でもホームセンターでも大した価格は変わりありませんでした。30kg玄米がなぜ安いかといえば、仕入れたままの販売になるからです。ただし、注意が必要なのは、玄米なので、精米すると約1割重量が減ります。つまり、27kgになります。
この規格の千葉県産コシヒカリの価格は、1848円になります。(令和3年度の場合)相場よりも若干安くなります。