カルローズ米とは?
カルローズ米はアメリカ合衆国カリフォルニア州発祥の中粒種のジャポニカ米の品種です。カリフォルニア州で栽培されているお米の約80%がこのカルローズ米であると言われています。カルローズ米は、日本のお米よりも粒が大きく長めで、粘り気が少なくさっぱりとした軽い食感が特徴です。日本で一般的に食べられている短粒種のお米は粘り気が強くふっくら柔らかですが、カルローズ米はその中間のような位置づけとなっています。
カルローズ米は炊き上がりに軽い粘りともちもち感があり、米本来の風味が豊かで、甘みとコクがあります。粒の大きさと形状は比較的大きく、ほぼ丸い形状をしています。この特徴が炊き上がりの食感や見た目に影響を与えています。日本のお米と比べると粘りが少なく、一粒一粒がしっかりしていて、噛むとアルデンテな歯ごたえを感じることができます。香りは控えめで、日本のお米のような芳醇な香りはあまりしませんが、独特な癖のあるような香りもないため、様々な料理に合わせやすいお米です。
カルローズ米の特徴とは?
カルローズ米は1955年〜1960年頃から収穫量が多く見込める中粒種として作付けが盛んになりました。現在では、カリフォルニア州のサクラメントバレーを中心に栽培されています。サクラメントバレーは東側をシエラネバダ山脈、西側を海岸山脈にはさまれた盆地で、山々から豊かな水を農業用水として利用できる環境にあります。カルローズ米はこの地域の気候や条件に適応した品種として改良されてきました。
カルローズ米は炊飯時に比較的高い温度でも耐えられる耐熱性を持っています。これはカリフォルニア州の気候条件に適応した結果であり、この耐熱性も特徴の一つです。また、サクラメントバレーは日本と異なる乾燥気候のため、もともと農業における農薬の使用量が少ない土地柄です。さらに、水田に使用された水の一部が飲料水としても利用されることから農薬の使用に関しては、州当局が厳しく管理しています。つまり、カルローズ米は豊かな自然環境と、それを保持していくための厳しい自然環境保護のもとで育てられているのです。
いもち病などへの耐性については直接的な情報は少ないですが、カリフォルニア州の乾燥した気候はいもち病の発生を抑制する要因となっています。また輸入にあたっては、残留農薬安全性検査として「ポジティブリスト制」が施行されており、安全なカルローズ米だけが日本に輸入されています。
カルローズ米の調理適正
おにぎり・弁当
カルローズ米はおにぎりや弁当にも使用できますが、日本のお米と比べると粘りが少ないため、形を整えるのに少し工夫が必要かもしれません。しかし、冷めても美味しさが保たれるので、弁当に向いています。カルローズ米でおにぎりを作る場合は、具材をしっかり入れるか、少しだけ米を固めに炊くと良いでしょう。おにぎりの具材の味とカルローズ米の軽い食感が調和して、新しい味わいを楽しむことができます。
カレー
カルローズ米はカレーとの相性が非常に良いです。カルローズ米の粘りが少なく粒感がしっかりしているので、カレーのルーとの絡みが良く、それぞれの味わいを楽しむことができます。日本のお米だとカレーを混ぜるとべちゃっとなりがちですが、カルローズ米だと最後までパラパラとした食感を楽しめます。カレーの辛さやスパイスの香りをカルローズ米がしっかりと受け止め、バランスの良い一品になります。カレーのルーに絡めて食べると、カルローズ米のアルデンテな食感が引き立ちます。
チャーハン
カルローズ米はチャーハンに最適です。粘りが少なく粒がしっかりしているため、炒めてもくっつきにくく、パラパラに仕上がります。チャーハンは粒同士がくっつかず、一粒一粒が独立しているのが理想的ですが、カルローズ米はまさにその条件を満たしています。また、冷めたカルローズ米を使うとさらに良い食感になります。油や調味料との相性も良いため、中華風のチャーハンだけでなく、様々なアレンジを楽しむことができます。軽い食感のカルローズ米は、具材の味を引き立てる名脇役となります。
カルローズ米を食べた人の口コミ
「確かに日本のお米のような粘りや甘み、香りは少ないですが、独特な癖のある香りもしないので食べやすいです。白米だけで食べると、粒感がしっかりして歯ごたえを楽しめます。」
「キムチや納豆などご飯のお供があれば日本米との違いはあまり気になりませんでした。特に炒め物やカレーなどと一緒に食べると、パラパラとした食感がかえって良いと感じました。」
「日本の艶やかな芳醇な香りがするふっくらしたご飯に強いこだわりがある方には向かないかもしれませんが、料理によっては日本米よりも適していると思います。特にチャーハンは絶品です。」
「お米が高騰している今、コストパフォーマンスが良いカルローズ米は選択肢のひとつとして優秀だと思います。はちみつや氷をいれて炊くと、甘みとツヤが増して美味しくなりました。」
「タイ米のような独特な香りはほとんどなく、日本のお米より粒が大きいなと思いましたが、言われなかったらそこまで違いがわからないかもしれません。様々な料理に合わせやすいので重宝しています。」
生産地ごとのカルローズ米の紹介
カリフォルニア州産カルローズ米
カルローズ米は主にアメリカ合衆国カリフォルニア州で栽培されています。特にサクラメントバレーでの生産が盛んです。サクラメントバレーは東側をシエラネバダ山脈、西側を海岸山脈にはさまれた盆地で、山々から豊かな水を農業用水として利用できる環境にあります。この地域は日照時間が長く、穏やかな気候のため稲作に適しています。カリフォルニア州は日本よりも大規模な生産ができるため生産コストが安く、効率的な栽培が可能となっています。
また、サクラメントバレーは日本と異なる乾燥気候のため、もともと農業における農薬の使用量が少ない土地柄です。さらに、水田に使用された水の一部が飲料水としても利用されることから農薬の使用に関しては、州当局が厳しく管理しています。カルローズ米は豊かな自然環境と、それを保持していくための厳しい自然環境保護のもとで育てられているのです。
アメリカ南部産カルローズ米
アメリカのお米の歴史は300年と新しく、17世紀アメリカの南部サウス・カロライナ州から始まっています。当時沼地で他の農産物が育たなかった場所で米が作られたことが始まりです。南部では主に長粒種のインディカ系のお米が栽培されていますが、一部の地域ではカルローズ米などの中粒種も栽培されています。
南部のカルローズ米は、カリフォルニア州のものとは少し異なる特徴を持っています。気候や土壌の違いにより、味や食感に微妙な違いがあるとされています。南部は湿度が高い地域が多いため、農薬の使用管理などにも独自の方法が取られています。しかし、基本的にはカリフォルニア州のカルローズ米と同様に、アメリカの厳しい品質管理のもとで生産されており、安全性が確保されています。
日本での輸入カルローズ米
日本に輸入されるカルローズ米は、主にカリフォルニア州産のものが中心です。日本でお米の輸入が開始されたのは1995年度で、2000年には輸入許可制から関税化(関税を払えば誰でも輸入できる)に移行されました。現在、輸入米には主にMA(ミニマムアクセス)とSBS(売買同時入札)の2つのルートがあります。
輸入にあたっては、残留農薬安全性検査として「ポジティブリスト制」が施行されています。すべての輸入契約ごとに第三者の検査機関が、原産国と日本でサンプリングを行い、同時に3回にわたり約600項目の残留農薬安全検査を実施し、安全確保を図ります。このようにして、安全なカルローズ米だけが日本に輸入されています。日本で販売されているカルローズ米には、信頼の「SBSマーク」が付いているものもあり、これは安心・安全なお米の目印となっています。
まとめ
- カルローズ米はアメリカ合衆国カリフォルニア州発祥の中粒種のジャポニカ米であり、日本の短粒種より粒が大きく長い特徴がある
- 粘りが少なく軽い食感で、アルデンテな歯ごたえが特徴のカルローズ米は、パエリア、チャーハン、カレーなど様々な料理に適している
- サクラメントバレーを中心に栽培されているカルローズ米は、豊かな自然環境と厳しい管理のもとで育てられている
- カルローズ米は冷めても美味しく、料理との相性も良いため、おにぎりや弁当にも使用可能だが、日本米よりも粘りが少ないため形を整える工夫が必要
- 日本に輸入されるカルローズ米は厳しい安全検査を経ており、安心して食べることができる
- カルローズ米は日本米とは異なる特徴を持っているが、料理によっては日本米よりも適していることがあり、料理の幅を広げるために選択肢のひとつとして考えると良い