結論からいえば、備蓄米が放出されても、訪日外国人の需要および人気品種はふるさと納税の需要により消費者向けの品種には影響がないと見ております。
また、備蓄米は、災害時に放出することのみを想定され、5年後に家畜用の餌として処分されるお米なので、消費者向けの品種の在庫量が増えるわけではありません。
そのため、ブレンド米など複合原料米が流通するため、いわゆる生活応援米の価格がある程度下落すると思われますが、コシヒカリなどの単一原料米は、需要の方が高く見られるため、価格が下落するとは考えづらいです。
そもそも備蓄米とは?備蓄米は美味しい?
備蓄米は、災害時に放出されることを前提にして、政府が保存しているお米のことで、約100万トンとされています。この備蓄米は、毎年入れ替えが起こり、5年したら家畜の餌として売却されます。
つまり、前提として、備蓄米は、一般流通を前提にしたお米ではありません。日本の主要品種が保存されているとされていますが、品質の良い一等米は、一般流通しています。また、高級品種も一般流通を目的にした品種ですので、備蓄されているわけではないことに注意が必要です。
そのため、つや姫、青天の霹靂などのお米の在庫が増えるわけではないので、この辺のお米を食べ慣れている人にとっては、備蓄米は美味しくないと感じるでしょう。
備蓄米の放出で一般事業者の在庫放出が起こるのか?
備蓄米を放出することで、主要品種のお米の価格は若干の値下がりが起こるかもしれませんが、消費者向けのお米の品種は、市場に流通しているお米が全てですので、値下がりが起こるとは考えづらいです。この原因は、①転売益②大阪万博の影響③ふるさと納税の影響の3つが考えられます。
①転売益
一部では、農協の責任とされているお米の値上がりですが、2023年の米不足の影響で、2024年には農協に出荷前に買い占める中間事業者が急激に増えました。当然、農協よりも高額で買い占めているため、売価は例年以上の金額になるのは当然です。
また、現在発生しているのは、投機目的の転売です。これによって、転売を繰り返されることにより、安く出荷したお米までが買い占められ、不正に値上がりしている状況が発生しています。不正な転売もあるため、一般小売業者は、安くお米を売ることができない状況が発生しています。
②大阪万博
大阪万博ではインバウンドが350万人の見通しがあります。この万博では、おにぎりの展示会が予定されているほか、和食の消費が予測されます。この時の事業者は、米が高額でも高級品種を買わざるえないので、高級品種の米の流出は考えづらいといえます。
さらに、日本食の消費が海外でも加熱すれば、輸出を計画する事業者が増えます。そのため、備蓄米の放出は高級品種では関係がないのに、米の需要が高まり、値下げの圧力よりも値上げの圧力の方が高くなると考えられます。
③ふるさと納税
2023年の米不足では何が発生したかというと、事前に申し込みを受け付けたふるさと納税分のお米が卸売業者が仕入れることができない事態の発生です。
2024年も米不足が発生している状況なので、ふるさと納税の事前に申し込みがあった分は流通させることができません。つまり、ふるさと納税で人気の品種は流通しません。
備蓄米の放出の影響はあまり期待しない方が良いかも
ブレンド米の流通量は増加しますので、その品質のお米の流通量は増えるため、一時の値下がりは期待できるかもしれませんが、①転売ヤーがストックしている現状②大阪万博に買い需要が間違いなく高まるため放出が起こらない可能性が高い③ふるさと納税の申し込み分の確保のため、人気品種は流出しない、3つの理由で、期待しているような結果にはなりづらいと考えています。