そらきらりとは?北海道が誇る多収ブランド米の特徴・食味・産地を徹底解説

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そらきらりは、北海道立総合研究機構(道総研)中央農業試験場が育成し、2023年に品種登録された水稲品種です。系統名「空育195号」として約10年かけて開発され、2024年から一般圃での本格栽培がスタートしました。最大の特徴は「多収性」と「いもち病への強い抵抗性」の両立にあります。収量は従来品種「きらら397」に比べて約18%多く、北海道全域でどの地域でも安定した収量が見込めます。いもち病への圃場抵抗性は「きたくりん」と同ランクの「強」で、本田薬剤防除が原則不要なため、農薬コストの大幅削減と環境負荷の軽減を同時に実現します。食味は「きらら397」とほぼ同等と評価されており、冷凍米飯・牛丼・回転寿司など業務用途での置き換えが進んでいます。北海道の中食・外食向け業務用米の新たな主軸として、「きらら397」「そらゆき」からの全面切り替えを目指し、普及目標8,000haに向け作付けが急拡大しています。

(そらきらりとは?)

そらきらりは、北海道立総合研究機構農業研究本部・中央農業試験場が育成した水稲品種です。系統名「空育195号」のもと2014年度より育成開発が始まり、約10年の歳月をかけて実用品種として完成。2023年に品種登録・出願公表され、2024年産から北海道全域での一般圃栽培が本格スタートしました。

「そらきらり」という名前は準公募方式で決定されました。誕生の地である空知地方の「そら(空)」と、米粒がきらりと光って見えることをかけ合わせた命名です。北海道の中食・外食向け業務用米市場を長年支えてきた「きらら397」および「そらゆき」の後継品種として、全量の置き換えを想定した8,000haの普及を目指しています。

品種の成り立ちと背景

国内の米消費量のうち、弁当や加工食品などの中食・外食向けは約3割(農林水産省調べ)を占める重要な市場です。この市場を長年支えてきた「きらら397」は誕生から35年以上が経過し、後継品種への切り替えが課題となっていました。「そらきらり」はこの課題に応えるべく、多収性・いもち病抵抗性・業務用食味適性の三点を核心に据えて開発されました。

★ そらきらり 誕生フロー

1988年 先代品種「きらら397」が品種登録。北海道米の品質イメージを刷新し、業務用・家庭用の両方で全国に普及。「やっかいどう米」返上の立役者に。
2014年 道総研中央農業試験場が「空育195号」として育成開始。中食・外食用途に適した極多収品種の開発を目標に設定。
2023年 農林水産省へ品種出願・公表。準公募方式による名称決定会議で「そらきらり」に命名。全道45カ所の普及展示圃で試験栽培を実施。
2023年秋 普及展示圃の全道平均反収690kg/10aを記録。記録的猛暑の年にもかかわらず、きらら397対比で113〜123%の多収傾向を確認。
2024年 一般圃での本格栽培スタート。目標3千ha・2万t規模の作付けを推進。ホクレンが種子を大量準備し、道総研が栽培マニュアルを公開。
2025年〜 ホクレンが「そらきらり多収チャレンジ」を3年間開催(最大賞金100万円)。生産技術の向上と作付面積拡大を目指し、北海道稲作の持続的発展に貢献。

(そらきらりを選ぶ目的・価値)

そらきらりは、生産者・実需者・消費者のそれぞれにとって明確なメリットを持つ品種です。特に業務用食材の調達担当者、北海道産米を扱う流通業者、農薬コストを削減したい生産者にとって、導入を検討する理由が揃っています。

🌾 きらら397比118%の驚異的多収

試験場における道総研の調査では、きらら397に対して収量が約18%多いという結果が出ています。普及展示圃での全道平均反収も690kg/10aを達成。収量アップにより生産者の所得向上が直接期待できる品種です。

🛡️ いもち病抵抗性「強」で農薬コスト削減

葉いもち・穂いもちともに圃場抵抗性が「強」で、環境配慮型品種「きたくりん」と同ランク。本田での薬剤防除が原則不要になるため、防除コストと作業負担を大幅に削減できます。

🍱 冷凍米飯・牛丼・回転寿司に最適

粘りが強すぎず汎用性が高い食味特性は、冷凍米飯・牛丼・回転寿司・弁当など業務用途で「きらら397と置き換え可能」と実需者から評価を得ています。タンパク質含有率はきらら397より低く、食味面でも優位です。

🌍 みどりの食料システム戦略に対応

いもち病への強い抵抗性により農薬散布回数の削減が可能で、国が推進する「みどりの食料システム戦略」に準拠した環境配慮型栽培に貢献します。環境配慮型農産物を求める実需者のニーズにも応えられます。

📍 北海道全域どこでも安定多収

空知・上川・道央から道北・道東にいたるまで、北海道全域の普及見込み地帯で安定した多収が見込めます。地域特性を問わず収量に差が生じにくい特性は、産地全体の安定供給につながります。

💰 生産コスト削減で収益性向上

多収性によって単位面積あたりの収益が向上するうえ、いもち病農薬コストも削減できます。一般圃デビュー初年度(2024年産)の生産者からも「収量増を実感できた」「資材コストが削減できた」との声が相次いでいます。

(食味・品種特性の詳細)

① 食味の特徴:業務用途に最適な汎用性

そらきらりは、粘りが強すぎない適度な食感と、あっさりとした淡泊な味わいが特徴です。炊き上がりの粒は小さめでキラキラと光る外観が美しく、品種名の由来にもなっています。タンパク質含有率がきらら397より低いため、米本来のすっきりとした甘みが感じやすくなっています。

② 業務加工適性の高さ

冷凍米飯・牛丼・回転寿司など、業務用途を中心とした実需試験を実施した結果、総じてきらら397からの置き換えが可能との評価を得ています。粘りが抑えられた食感は冷凍・解凍後の食感維持に適しており、コンビニチェーン・外食チェーン・食品メーカーからの需要が高まっています。

③ 耐病性と耐候性

葉いもち・穂いもちともに圃場抵抗性が「強」という評価は、北海道米品種の中でも最上位クラスです。穂ばらみ期の耐冷性も「やや強」で、北海道の冷涼な気候でも安定した収量確保が可能です。なお、稈長(茎の長さ)がきらら397よりやや長いため、過度な施肥による倒伏には注意が必要です。

④ 粒が小さく米数が多い多収の稽

そらきらりが多収を実現できる主な理由は、一穂籾数の多さにあります。穂数や千粒重はきらら397と同等ですが、1穂あたりの籾数が多いため、面積あたりの全籾数が増加し収量増につながります。一方で籾数が多い分、登熟温度が確保できない場合は白未熟粒が発生しやすい傾向があるため、収穫時期の見極めと適切な栽培管理が重要です。

⑤ 祭培期と出穂期

幼穂形成期と出穂期はきらら397とほぼ同等です。成熟期は標肥条件で2日程度遅れる傾向があり、多肥条件ではその差がさらに拡大します。倒伏すると登熟が顕著に遅れるため、適切な施肥管理と倒伏対策が求められます。育苗日数はきらら397と同程度が必要で、徒長への注意が推奨されています。

比較テーブル:そらきらりと主要北海道米・業務用品種との比較

品種名 産地 食味の特徴 粘り 業務用適性 いもち病抵抗性 収量性
そらきらり 北海道 あっさり・淡泊・汎用性高 やや弱〜中 ○○ 特に高い 強(最上位) ○○ 極多収
きらら397 北海道 あっさり・噛むと甘み・先代品種 やや弱〜中 ○○ 高い 中程度 ○ 標準
そらゆき 北海道 ほどよい硬さ・粘り・淡泊 中程度 ○ 高い 中程度 ○ 標準
きたくりん 北海道 さっぱり・あっさり・低農薬向け 中程度 △ 普通 強(最上位) △ やや少
ゆめぴりか 北海道 もっちり・甘み強・プレミアム △ やや不向き 中程度 ○ 標準
ななつぼし 北海道 バランス良好・粒感・万能 中程度 ○ 高い 中程度 ○ 標準
あきたこまち 秋田 さっぱり・適度な粘り・食べやすい 中程度 ○ 高い 中程度 ○ 標準
大地の星 北海道 硬め・淡泊・冷凍加工向け ○○ 高い(冷凍) 中程度 ○ 標準

※各評価は道総研・ホクレン等の公開資料および実需者評価を参考にした目安です。栽培環境・年産により変動します。

(食味・業務適性の評価実績)

そらきらりは日本穀物検定協会の食味ランキング対象品種として今後の評価積み上げが期待される一方、業務用途での実需者評価において具体的な実績を積み重ねています。

「つかえ可能」

冷凍米飯・牛丼・回転寿司など業務用途で「きらら397からの置き換え可能」と実需者が評価

※道総研・ホクレンが実施した業務用実需試験(冷凍米飯・牛丼・回転寿司等)の結果。タンパク質含有率はきらら397より低く、食味・加工適性ともに同等以上との評価。

業務用米においては、食味ランキングの「特A」よりも「炊飯後の食感安定性」「冷凍・解凍後の品質」「調理汎用性」「コストパフォーマンス」が重視されます。そらきらりはこれらの業務側ニーズすべてにおいてきらら397以上の評価を獲得しており、吉野家向け北海道産業務用米の後継として名前が挙がるなど、流通面でも期待が高まっています。

🍚 外観
粒が小さくキラリと光る美しい外観
🔊 粘り
適度な粘りで業務加工に汎用性高
❄️ 冷凍適性
解凍後も食感が安定・冷凍米飯向け
🥩 丼物適性
牛丼・かつ丼など丼業態で高評価
🍣 寿司適性
回転寿司・酢飯加工に適した食味
💹 タンパク質
含有率がきらら397より低く食味向上

(産地と栽培管理・品質管理体制)

そらきらりは北海道全域を産地とする品種で、空知・上川・道央から道北・道東にいたるまで、どの地域でも安定した多収が見込めることが最大の産地特性です。これはきらら397がもともと北海道全域に普及していた品種の後継であることも関係しており、産地条件を選ばない安定性がブランドの強みです。

主要産地テーブル

地域 特徴 特記事項
空知地方 北海道最大の米どころ。品種名の由来となった「空知」の中心産地。 「そらきらり」命名の地。多収展示圃の主要エリア。奈井江町など先行栽培事例多数。
上川地方 道総研上川農業試験場の拠点。試験場内でもきらら397対比113〜123%の多収を確認。 試験栽培の中心地。中央農業試験場と共同で栽培マニュアルを策定。
道央・道北エリア 全道45カ所の普及展示圃に参加。様々な気候・土壌条件での適応性を確認。 普及展示圃での全道平均反収は690kg/10a(2023年・記録的猛暑の年)を達成。
北海道全域(普及展開中) 2024年に一般圃本格開始。2025年以降も作付け面積の急拡大を想定。 最終目標8,000ha(きらら397・そらゆきの全量置き換え)。ホクレンが種子を大量確保。

品質管理・ブランド基準

そらきらりの栽培・普及は、道総研(中央農業試験場・上川農業試験場)・北海道農政部・ホクレン農業協同組合連合会の三者が連携して推進しています。道総研が策定した「そらきらり栽培マニュアル(成苗ポット編)」は2024年2月に公開され、各JAや普及センターを通じた生産者への技術移転が進んでいます。

栽培上の重点管理項目として、①北海道施肥ガイドに基づく適切な施肥(耐倒伏性「やや弱」のため多肥に注意)、②いもち病多発圃場・採種圃での基幹防除の実施、③登熟期のバラつきを考慮した収穫時期の見極め、の3点が挙げられています。適切な栽培管理により、農薬コスト削減と多収を両立した高収益農業の実現が期待されています。

業務用流通については、ホクレンが弁当・おにぎり・冷凍米飯・外食チェーン向けなど多様な業務用実需者への安定供給体制を整備中です。国が推進する「みどりの食料システム戦略」への対応実績を持つ品種として、環境配慮型農産物を求める大手食品メーカーや飲食チェーンからの需要獲得も見込んでいます。

(そらきらりに関する最新ニュース)

2025年

ホクレンが「そらきらり多収チャレンジ」を3年間開催、最大賞金100万円

ホクレンは2025年産から3年間にわたり「そらきらり多収チャレンジ」を開催すると発表しました。単位収量の部・増収の部の2部門で表彰し、最大賞金は100万円。生産技術の向上と作付面積拡大を目的とし、優れた栽培事例を全道に広く発信することで北海道稲作の持続的発展につなげる取り組みです。

2025年

2024年産栽培事例集を公開、初年度の生産者から収量増・コスト削減の声

ホクレンは2025年2月に2024年産そらきらりの生産者栽培事例集を公開しました。一般圃デビュー初年度の生産者から「きらら397と比べて収量増を実感」「農薬資材コストが削減できた」との評価が寄せられた一方、「登熟バラつきによる収穫時期の見極め」「製品歩留まり」といった課題も共有されました。

2024年

一般圃本格栽培スタート、記録的猛暑でも多収傾向を確認

2024年から北海道全域での一般圃栽培が始まりました。記録的猛暑となった2023年の普及展示圃試験でも全道平均反収690kg/10aの多収を達成。上川農業試験場ではきらら397対比113〜123%、中央農業試験場では117〜120%の多収傾向が確認され、高温耐性の強さも評価されています。

注目動向

きらら397・そらゆきからの全量置き換えへ、普及目標8,000haに向け加速

ホクレンは「きらら397」「そらゆき」の全量をそらきらりに置き換え、8,000haの普及を最終目標としています。中食・外食業務用米市場の約3割を占める北海道産業務用米の主軸交代は、食品加工業界全体に影響を与える動向です。2025年産から始まった多収チャレンジも作付け拡大の加速装置として機能しており、今後の普及スピードが注目されます。

(まとめ)

そらきらりは、北海道産業務用米市場の「世代交代」を担う戦略的な品種です。きらら397が切り開いた業務用米の市場で35年以上にわたって蓄積されてきた需要と信頼を引き継ぎながら、多収性・いもち病抵抗性・環境配慮という現代の農業ニーズに応えた品種として誕生しました。

生産者にとっては収量増・農薬コスト削減・省力化という三重の恩恵があり、実需者にとっては「きらら397と同等の加工適性」「安定供給」「低タンパク・食味向上」というメリットがあります。さらに環境配慮型農業への対応が企業価値につながる時代において、みどりの食料システム戦略に準拠した原料米としての付加価値も見逃せません。

🌾 品種の特徴

系統名「空育195号」として2014年から約10年かけて育成。道総研中央農業試験場が開発した多収・業務用品種。2023年品種登録、2024年一般圃本格栽培スタート。北海道全域でどの地域でも安定多収が見込める。

😋 食味の強み

あっさり淡泊で粘り控えめの業務用途向き食味。タンパク質含有率がきらら397より低く食味面でも優位。冷凍米飯・牛丼・回転寿司・弁当など多様な業務用途で「きらら397と置き換え可能」と実需者評価。

📊 評価実績

試験場平均でのきらら397比収量約118%の多収性。全道45カ所の普及展示圃で全道平均反収690kg/10aを達成(2023年・猛暑年)。業務用実需試験(冷凍米飯・牛丼・回転寿司等)で置き換え可能評価を取得。

📍 産地と管理

北海道全域が産地。道総研・ホクレン・北海道農政部が連携した普及体制を確立。2024年栽培マニュアル公開済み。最終普及目標8,000ha(きらら397・そらゆきの全量置き換え)に向けて急速拡大中。

飲食店・コンビニチェーン・食品加工業者・外食産業における業務用米の仕入れ担当者にとって、そらきらりは「コスト・安定供給・環境対応」の三点で優位性を持つ原料米候補です。また、小売業においても「国内農業の持続可能性に貢献する北海道産米」として環境配慮型商品の訴求が可能です。北海道産業務用米のラインナップ更新を検討する際に、真っ先に注目すべき品種といえるでしょう。

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